『海洋資源-7つの不思議と11の挑戦-』
世界最深の海は11000 m。人類がいまだ足を踏み入れることができない場所です。海は水深200 mで光が届かない真っ暗な世界になり,1 cm2あたり20 kgもの水圧がかかります。海底には,陸上とはまったく異なる世界が広がっているのです。燃えると水だけが残るふしぎな固体物。もくもくと煙のようにわき出る金属資源が溶けこんだ400 ℃の熱水。口も消化管もない奇妙な生き物。海は手付かずの「資源」の宝庫。栄養豊富な海洋深層水を使った漁場や,金属資源の確保,潮の満ち引きや海水の温度差を利用した発電など,海には深刻化する環境・エネルギー問題解決の可能性があると期待されています。日本の研究者は水深6500 mにも耐える潜水艇「しんかい6500」などを用いて,海の研究・技術の開発を続けています。この本は,海の研究に生涯をかける研究者たちが未来に生きる高校生のために書いた,人が知りえる海のすべてです。
(文・垣田有紀)

